フィンランドでは道路のコンディションモニタリングにフリアーシステムズのサーモグラフィカメラを活用しています。

フィンランドの道路は、78,141キロメートルの幹線道路、舗装道路、そして砂利道で構成されています。 冬季には、気温は-40℃まで下がり、昼の時間は短くなり、一部の地域では太陽が全く昇りません。このような状況での道路のモニタリングや維持管理は生易しいものではありません。 このため、フィンランドの道路検査当局は、道路管理の業務の簡素化や効率化に役立つ新しい非破壊検査の手法を常に模索しています。

それこそがまさに、フィンランド企業Roadscannersが行っていることでした。同社は効果的な道路診断システムを開発していたのです。 Roadscanners社は最近、高性能測定機器としてフリアーシステムズのサーモグラフィカメラを導入しました。

Roadscanners社は、道路、街路、橋梁、鉄道、空港滑走路の検査や損傷解析を専門とするコンサルティング会社です。 同社はそのコンサルタントサービス以外に、道路診断車両Road Doctorなどの販売も手掛けています。 本社はフィンランドのロバニエミにあり、提携先を通して欧州や北米にネットワークを有しています。 同社では、最近導入した サーモグラフィカメラの技術 を活用し、新たな道路診断法を継続的に開発しています。


温度と道路状況

フリアーシステムズの サーモグラフィカメラ はすべて、熱の放射を記録します。 あらゆる物体はその温度に応じた熱を放射しているため、サーモグラフィカメラで記録したデータを用いることで、物体に接触することなく正確な温度測定が可能です。 そして、Roadscanners社の社長であるTimo Saarenketo氏によると、道路コンディションを診断するうえで、温度は非常に重要な要素です。

「道路損傷の主な原因は水の浸入です」とSaarenketo氏は説明します。 「水分が表面層を通過し、構造内部に侵入すると、道路の構造の劣化が起きます。 こうした水の侵入による劣化が検査されなければ、道路損傷につながります。 特に、寒さが厳しい時期は、水が壊滅的な被害をもたらすことがあります。 水が凍結して結晶化し、アイスレンズを形成し、その過程で体積が増加していきます。 それが道路構造に大損害を与える原因であることは言うまでもありません。」

理論を実践に応用

Roadscannersの共同設立者であり社長のSaarenketo氏は、 道路構造物の変形特性やその検査法に関する数多くの学術論文や論説を執筆しています。 論文執筆のために行った調査の一環として、道路検査における赤外線画像の可能性について調べたのがことの始まりでした。 「サーモグラフィカメラが道路検査に極めて有益だということを論理的に立証できました。そこで、この理論を実践に応用することに乗り出したのです。」

「フリアーシステムズのサーモグラフィカメラを使えば、肉眼では見ることができない道路表面にしみ込んだ水を検出できます」とSaarenketo氏は説明します。 「水が道路の構造物に侵入すると、道路の温まり方や冷え方が変化します。 ですから、朝方や夕方に水分を含んだ道路を赤外線画像で発見することができます。 この情報から、道路のどの部分の修理がいつ必要であるかを判断できます。 同じ概念を橋梁検査にも応用できます。橋梁のコンクリートデッキの長寿命化にはしっかりとした防水が不可欠なのです。」

統合の重要性

Saarenketo氏によると、サーモグラフィカメラのデータと他のセンサーのデータを組み合わせることが極めて重要です。 「データを組み合せて初めて道路コンディションを正確に把握することができるのです。」

サーモグラフィカメラはRoadscannersの道路診断用車両の上部へ取り付けられています。 現在はサーモグラフィカメラ FLIR A315 が使用されていますが、FLIR A615に切り替えることが検討されています。

道路全体を測定するために、視野角(FoV)90°の広角レンズが使用されています。 可視カメラと地中探知レーダー(GPR)、そしてサーモグラフィカメラで収集されたデータを組み合わせてGPSの位置情報を付けることで、修理が必要な問題エリアの正確なマッピングが可能になります。

GigE対応

Roadscannersがフリアーシステムズの サーモグラフィカメラ を選択した理由の1つが接続性です。 「それらのカメラはGigE Visionに対応していることが大きなプラス要素となっています。 GigE Visionは、ギガビットイーサネットの通信プロトコルを用いて開発された新しいカメラインターフェースの規格です。 GigE Visionによって異なるメーカーのハードウェアとソフトウェアをGigE接続でシームレスに同時使用できるため、高速データ収集と統合の信頼性が高まります。」

交換可能なレンズ

もう1つの理由はレンズ 「フリアーシステムズは、オプションの1つとして視野角90°の交換可能なレンズを提供している唯一のサーモグラフィメーカーでした。 当社では道路の幅全体を測定したいため、それも重要な要素でした。」

フリアーシステムズ: 長期的な良きパートナー

Saarenketo氏によると、統合プロセスを容易にするためにフリアーシステムズからのサポートも重要でした。 「サーモグラフィカメラを当社独自のシステムに統合する際にフリアーシステムズから受けたサポートは実に効果的でした。 当社が必要とする情報をすべて提供していただきました。」

Saarenketo氏によると、これはRoadscannersがフリアーシステムズのサーモグラフィカメラを選択した理由の1つでした。 「もちろんカメラの品質と価格の両方も選択理由でしたが、当社にとっては当社の診断システムへの統合が極めて重要だったため、その統合プロセスをサポートしてくれると思われるパートナーを慎重に選びました。 結果的に当社の判断は正しいものでした。当社の経験ではフリアーシステムズは長期的な非常に良いパートナーです。」

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