フリアーシステムズのカメラはマイクロ電子デバイスの熱特性を明らかにします。
電子デバイスやマイクロ電子デバイスの開発において、過渡熱情報はデバイスやデバイスの特定の部位の動作が適切かどうかを検証する上で極めて重要です。 さらに、次世代のマイクロ電子デバイスの性能は、マイクロエレクトロニクスで使用されるさまざまな材料の熱物理学的特性をより深く理解することが鍵となります。 アーリントンのテキサス大学にあるMicroscale Thermophysics Laboratoryの所長を務めるAnkur Jain博士は、ミクロ規模の熱輸送に関して広範囲の研究を行っています。 研究所では、フリアーシステムズのサーモグラフィカメラを含めさまざまな最新設備とデバイスが利用されています。
マイクロエレクトロニクス マイクロエレクトロニクス i産業において小型化は、過去数十年にわたり、主要な開発テーマとして取り組まれてきました。 デバイスが小型化すると、操作スピードが上がり、またシステムをコンパクトにできます。 ナノテクノロジーと薄膜プロセスの進歩は、光電池、熱電材料、マイクロマシン技術(MEMS)など幅広い技術領域に及んでいます。 これらの材料とデバイスの熱特性は、このようなエンジニアリングシステムを継続的に開発する際に非常に重要なものとなります。 しかし、これらのシステムでは熱輸送に関する数多くの懸念事項があります。 これらの懸念事項に効率的に対処するには、熱輸送の性質を完全に理解することが非常に重要になります。
3D IC の熱放散
Microscale Thermophysics Laboratoryでは、Ankur Jain博士の指揮の下で学生たちがミクロ規模の熱輸送、エネルギー変換システム、半導体熱管理、バイオヒートトランスファー、および関連トピックの研究を行っています。 重要な技術的課題である3次元集積回路(IC)における熱放散の問題は、過去10年または20年に及ぶ膨大な研究にもかかわらず、この技術が幅広く利用されるのを阻んできました。 このため、Microscale Thermophysics Laboratoryの研究者たちは、3D ICの主要な熱特性を測定する実験を行い、3D ICにおける熱輸送を理解する解析モデルの開発に取り組んでいます。
温度場の測定
薄膜材料は、マイクロエレクトロニクスの開発当初から主要な役割を演じ、チップ上で多彩な機能を果たしています。 薄膜の熱挙動を正確に理解するためには、熱特性と堆積プロセスに伴って変化する微細構造および形態との関連付けを可能にする必要があります。 この目的のためには、導電率、体積弾性率、厚さ、熱境界抵抗などの特性の調査が可能でなければなりません。
「テスト実験では私たちは通常、基板上に設けた超小型ヒーター列に電源をつなぎます。 デバイスをジュール加熱で加熱します。 すると基板の温度場が時間の関数として変化していきます。
「マイクロデバイスの温度場が時間の経過に伴ってどのように変化するのか、その点に特に興味があります」とAnkur Jain博士は述べています。 「基板の熱特性を測定することで、私たちはミクロ規模で行われる熱伝達の基本的な性質を理解しようとしているのです。」 エレクトロニクスの世界では、熱は多くの場合、主要なデバイス機能にまつわる望ましくない副産物であると見なされています。 このため、薄膜では過渡熱現象を完全に理解することが重要となります。 「マイクロシステムで熱がどのように流れるかを知ることで、過熱問題を効率的に最小限に抑えることができます。 これは、マイクロシステムの設計を改善する上で、そして材料の選択に際してより賢い判断する上で役立ちます。 例えば私たちは、さまざまな種類の薄膜についてその熱輸送特性を比較する研究をしました。」
「テスト実験では私たちは通常、基板上に設けた超小型ヒーター列に電源をつなぎます。 そこに非常に微弱な電流を流すことで、デバイスをジュール加熱により加熱します。 すると基板の温度場が時間の関数として変化していきます。
Ankur Jain博士は続けます。 「基板の熱特性を測定することで、私たちはミクロ規模で行われる熱伝達の基本的な性質を理解しようとしているのです。」
サーモグラフィカメラ
マイクロ電子デバイスの温度を測定するため、Ankur Jain博士のチームは熱電対を含むさまざまなテクニックを使ってきました。 このテクニックの主な問題点は、熱電対では単一ポイントの温度しか測れないことです。 より完全で視覚的にも優れた温度場の画像を求めて、Jain博士はフリアーシステムズのサーモグラフィカメラの採用を決めました。 The FLIR A6703sc サーモグラフィカメラは、電子デバイスの検査、医療サーモグラフィ、製造のモニタリング、および非破壊検査向けに設計されています このカメラは、高速の熱イベントおよび高速で移動する対象に最適です。 露光時間が短いため、対象の動きを止めて正確な温度計測を行うことができます。 カメラの画像出力は1秒当り480フレームまで表示できるよう調節が可能で、さらに高速で推移する熱イベントの特徴を正確に捉えることができ、また試験での重要データの取り落としを防止する効果があります。
「私たちが関心を持つデバイスの熱現象は非常に速い速度で発生するので、単一点測定とは異なり全フィールドの情報が必要となります」とAnkur Jain博士は述べています。 「FLIR A6703scは、私たちの実験で大きな助けとなりました。このカメラは測定対象のデバイスについて細部に至るまで詳細な情報を伝えてくれるからです。」
研究と科学における熱解析ソフトウェアの利用
Ankur Jain博士のチームはまた、その研究と科学においてフリアーシステムズのResearchIR解析ソフトウェアを利用してきました。 ResearchIRは強力で使いやすい熱解析ソフトウェアパッケージで、カメラシステムへの指示と制御、高速データ記録、リアルタイムまたはプレイバックによる解析、およびレポート作成に利用します。 「フリアーシステムズのResearchIRソフトウェアは、私たちのチームにとって非常に有用であることが証明されています」とAnkur Jain博士。 「特に、取得した熱の情報を保存し複数のPCによる情報共有を可能にした機能が有益で、それによりさらに解析を進めることができました。 ResearchIRのおかげでチーム内だけでなく、チームと他のチームとのコラボレーションも大幅に改善されました。」
Ankur Jain: 「マイクロデバイス上の温度場の時間的変化に特に関心があります。 基板の熱特性を測定することで、我々はミクロ規模における熱伝達の基本的性質を理解しようとしているのです。」
Ankur Jain:「フリアーのResearchIRのおかげでチーム内だけでなく、チームと他のチームとのコラボレーション も大幅に改善されました。」